uruya’s diary

夏山登山とツーリング。冬は鉄分多め。

真田太平記(六) 家康東下 / 池波正太郎

真田太平記(六)家康東下 (新潮文庫)

真田太平記(六)家康東下 (新潮文庫)

公然と軍備を整える上杉家に対し、家康は討伐軍を差し向ける。するとその隙をつき、石田三成が挙兵。これより諸将はそれぞれ東西にわかれ、真田家も信幸は家康へ、昌幸と幸村は石田方へつくこととなる。
その裏では。
佐助はさらなる成長を遂げ、鈴木右近によって不審な動きを咎められ右目を潰された角兵衛は、沼田を出て上田城へ戻った。

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決戦前夜。
知られているとおり、真田昌幸・信繁は関が原へは参戦せず、しかし上田城で戦局にかかわる重要な役割を果たすことになる。信繁はここで大いに名を上げた。
そして雌雄が決した後、蟄居期間(九度山時代の佐助らの活躍は楽しみだ)を経て、巷間に名高い「真田幸村」の活躍がはじまる。

まあ有り体に言えば、真田幸村というキャラクターは庶民の判官びいきの受け皿となったわけだ。豊臣方にはそれだけ有能な人物が少なかった。戦術・人格ともに備わった人物は信繁と明石全登くらいであろう。後藤又兵衛も名将ではあるが、人格にややクセがある。