uruya’s diary

夏山登山とツーリング。冬は鉄分多め。

奥尻一周ツーリング その2

0420 起床

雨音がして目が覚める。さいわい雨は一瞬で、このあとも降ることはなかった。つーかこれ、寝坊ですよ。明るくなってくる3時半には起きたかったのだが。ウミネコさんの鳴き声で目が覚めるだろうと思っていたけど甘かった。
朝食と歯磨き洗顔をすませ、撤収作業を完了し出発したのが5時半。一式デポして空身で一周したあと撤収するプランと、走行距離は20km少ないが背中が10kg重くなるプランの2通り考えていたのだが、余裕がなくなったことでザックを背負って出発せざるを得なくなった。

0557 ダート区間



平成23年3月に幌内側から舗装路が延長され、現在のダート区間は約1km。稲穂側は締まっていて走行に問題はないが、区間終了に近づくと深ジャリの様相に。舗装下地のために敷きなおしたのかな。

0617 のんびり休む牛くんたち


耳にタグがついているので肉牛ですな。奥尻牛だ。おいしsかわいいねえ。子牛もいるし。


余計な写真ばかり撮っているのは、思いのほかキツい山道だからである。写真を撮るのを口実に休んでいるわけだ。島一周だから全部海沿いじゃん?なんて考えてたら、甘い甘い。ソースイーツメモリーだ。奥尻島は海底山の先端が海から顔を出したものであり、多くの海岸線は崖になっている。道路を敷設できない部分は、いきおい内陸を走り、ところによっては峠越えになる。島の北端と南端付近に峠道があり、特に北部、稲穂から球島山の脇を通り幌内へ出るルートはかなりのアップダウンがある。10%勾配の坂は自転車を下りて押して歩いた。というか、歩くのさえつらい。とにかく背中が重くてかなわない。肩・腰に負担がかかるのはもちろん、腕や尻にかかる重量も多くなる。空身ならさすがに下りて歩くようなことはなかっただろう。
球島山にはちょっと入った位置に展望台があるはずだったが、余力がないのと残り時間が読めなかったのでパス。標高差のあるこのあたりで時間を使うのは折り込み済みだが、10km進むのに1時間以上かかるペースに、さすがに焦りを覚えた。それに、何かしらやり残しておいたほうがいいだろうとも思う。その方が「次」があるから。

0727 神威脇港

0743 北追岬公園


登ったら下る。それが自然の摂理。長い長い登り基調から、下りは一気。これ逆から登ったら急坂が延々つづくことになる。相当つらいぞ…
一難去ればまた一難、強い向かい風が吹きだしてきた。ほぼ折り返し地点、神威脇港で休憩。すぐそばに神威脇温泉があり、朝が早い漁師の島らしく朝9時から営業している。ぜひ入浴したいところだが、時間が合わず今回見送り。
北追岬公園は少し先へ行った小高い場所に立っており、モニュメントがあるほか、神威脇を見下ろせる。

0749 カブト岩

0757 モッ立岩

0806 ホヤ石の滝

0807 無縁島


しばらく岩礁地帯が続く。ウニの餌となる海草の生育には絶好の環境であり、奥尻でウニがよく獲れるのも納得。
モッ立岩は、ある未亡人が「あら、死んだ亭主にそっくり」と、頭の一文字を略して名づけたという。まあ何にそっくりかはわかるのだが、単語はなんだろな?どこかの方言だろうか。奥尻も浜言葉だから、土地の人に話しかけられると何を言っているかよくわからない。
無縁島は島というよりデッカい岩礁だ。沖合いに島があるかどうかは経済水域上重要なのだろうけど、まあ岩だ。

0840 青苗岬

0843 時空翔


ヒーヒー言いながら山道を超え、青苗岬に到着。ここまで来ればあとはほぼ海岸沿いのはず…ひと段落。
北海道南西沖地震による津波で壊滅的被害を受けた地域である。被災体験記をネットなどで読み、戦慄した覚えがある。その後、被害規模で数百倍になる大津波が東北地方を襲うとは、想像だにしなかった。家・財産・家族、すべてをまるごと飲み込んでしまう津波というのは本当におそろしい。
一帯は記念公園になっていて、やはりというか、防潮堤でぐるりと囲われている。モニュメント時空翔は、災害が発生した7月12日、オブジェクトのくぼみの部分に夕日が落ちるという。

0955 うにまるモニュメント


ゴール地点からちょっと手前のうにまる公園まで到達。もう着いたも同然だ。時間的にも余裕が見えた。ただし体力の余裕はすでにないw
奥尻港を見下ろす高台にある公園には、ゆる系のモニュメントが建てられている。どこまで行ってもウニ押しだな、この島は。奥尻島といえばウニ。

そして奥尻出身の著名人といえば佐藤義則。函館有斗から日大を経て阪急に入団、阪急〜オリックス時代に活躍。今ではめずらしくない四十台現役選手のはしり。引退後は各球団の投手コーチを歴任。公でもヒルマン体制下で一軍コーチをつとめ、「ダルビッシュを育てた男」と言われている。わしが育てた
公園内の佐藤義則記念館に立ち寄り。入館無料。展示物はユニフォームなどのグッズ類や写真、新聞記事の掲示など。まあ佐藤義則のファンなら楽しいと思います。名選手かつ名コーチだけど、正直そこまで興味ないw

1009 鍋釣岩


奥尻島のシンボル的奇岩、鍋釣岩。周囲に照明設備があるので、夜はライトアップされるようだ。見れば見るほどおもしろい形ですなあ。右上にちょろっと生えた植物がチャーミング。あと最高点にちゃっかりとまってるウミネコさんがフォトジェニックw
この岩の位置からフェリーターミナル手前までの、ごく短い区間奥尻島の中心部。雑貨店や飲食店、島に1件のコンビニなどが立ち並ぶ。これこそこの町のメインストリートわずか数十メートルですよ。本当に自然のほかには何もない島だ。でも、こんな島にもパチンコ屋だけはあった。まあねえ…娯楽がないのはわかるけど…


つづく。