uruya’s diary

夏山登山とツーリング。冬は鉄分多め。

2013年に2013メートルのニペソツ山に登る その2

0605 登山口500メートルほど手前からスタート


0420周囲のゴソゴソに起こされる。利用者はほぼ登山客、ライダー、チャリダーなので、夜も朝も早い。前日買っておいたコンビニ弁当で腹ごしらえ。テントを撤収し、0520に出発。
登山口までの林道はすれ違いスペースがほとんどない、かなり荒れた道。途中に車が数台とまっていたので聞いてみると、登山口駐車場はすでに満杯らしい。切り返すのにも苦労する状態らしいので、素直にその位置にとめる。かなり混んでいるという話を聞いていたので、0600には登山口に入る予定で実際にその時間に着いたのだが、すでに遅すぎたようだ。
準備をして歩き出すが、今回は大きな不安材料をかかえている。富士登山で痛め、その2日後自転車で悪化させた右ひざだ。ほぼ治ったと判断しジョギングを再開したら、その翌日から腫れがぶり返してしまった。日常生活は問題ないが、足を曲げるときに痛みがある。おそらく体があたたまっている行動中はそれほど痛まないと思うのだが、翌日ひどいことになるかもしれない。ある程度覚悟している。
もちろん途中で痛みが強くなってきたら、すぐに下山するつもり。負傷救助なんて受けたら生き恥だ。

0614 登山口


数分で登山口へ到着。入山するといきなり丸木橋がある。すべり落ちないよう慎重に渡っていくが、前しか見てなかったせいで早くも道を見失ったw 渡りきる手前で右に入らないとだめだったw 先が思いやられますなあ。
橋をわたると、尾根の高度稼ぎにかかる。けっこうな斜度があるので、序盤ペースを上げすぎないように意識的にゆっくり登っていく。

0725 右に南クマネシリ岳、左にクマネシリ岳と西クマネシリ岳


単調でつまらない森林を粛々と進んで高度を稼いでいくと、だんだん樹林の密度がまばらになっていく。小天狗岳の手前で背後の展望が開け、クマネシリシリーズが見渡せた。
これを撮影しているとき、何かがこちらに向かって進んでくる、ガサガサという音が聞こえてきた。はじめは人間かと思っていたが、道ではない斜面から音がする気が…あわてて身じろぎすると、クマ鈴の音に驚いて、そいつは別の方向へ逃げていった。獣臭がしなかったし、大型獣の足音ではなかったのでクマではないと思うが、心臓に悪い。たぶんキツネかタヌキかなあ。子鹿かもしれない。子熊だったらかなりやばい。案外キジ撃ちしてた人間だったりしてw

0731 左側すっぱり切れ落ちた岩場


天狗岳頂上のすぐ下の位置にある岩場。ここまで1時間15分。5分休憩。
ここをどう進むのか判断つかなかった。ちょうど先に休憩していた人が出発準備をしていたので、前に習えだ。こちらも休憩している間に、その人は岩の切れ目の上を乗り越えていったので、そのとおりに進む。乗り越えたところで下を見ると、岩場の横に巻き道があるようす。なんだ、そっち通ればいいんじゃん…と、この時点では思った。
帰りはこの岩の裏側で休憩を取ったのだが、岩場を巻く道を覗いてみると、下がすっぱり切れ落ちている。あわわわわ…これ落ちたら確実に死ぬぞ…岩を乗り越えたときも、背後がかなりの切れ落ち方をしていて生きた心地がしなかったが、こちら側よりまだマシだ。
帰り道では、行きにはなかったザイルが張られていた。すれ違ったパーティのうちの誰か、おそらく団体ツアーのガイドが設置したのだろう。そりゃそうだ、ここはかなり危険だ。高所恐怖症泣かせのポイント。

0748 お花畑・1

0748 お花畑・2

0749 お花畑・3


岩場を越えると下りに転じ、通称天狗のコルに出る。そこからしばし平坦な道が続く。小さいテン場などもある。しかしテン泊装備背負ってあの岩どうやって超えるんかね…
周囲は潅木帯。道端にはお花畑も広がっており、なかなか楽しい道だ。白い花はチングルマだと思うが、あとは不明。同定メンドクサイ。

0802 手前山塊右端が石狩岳、奥に忠別岳トムラウシ〜オプタテシケ

0802 奥左側に音更山と石狩岳


やっと森林限界を超えた。潅木帯からハイマツ帯になり、背の高いハイマツのトンネルを抜けると一気に展望が開ける。十勝岳連邦、大雪山石狩岳連邦と、3つの山塊群を一度に見渡すことができる、ものすごい立地だ。さらにこの日は、天気は快晴、空気も澄んでいて最高のコンディション。このレベルの景色を楽しめるなんて、めったにないぞ…日曜夏山登山程度なら一生に数回くらいじゃなかろうか。いやあ、これはいい日に登った。

0822 岩場を進む


ナキウサギ生息地帯の岩場を進んでいく。あいつら鳴き声だけはチューチュー聞こえてくるんだけど、なかなか姿を見せてくれない。

0834 前天狗からニペソツ山を望む

0835 左に糠平湖、右にウペペサンケ山

0835 大雪山系


休憩なし2時間15分、休憩込み2時間20分。15分休憩。
天狗岳の山頂横広場に出る。ここでやっとニペソツ山が姿をあらわした。半面をざっくりスプーンで切り取ったような、特徴的な山容をしている。登山道がくっきりと見えるので、下って登ってまた下ってまた登る、この先の道筋が手に取るようにわかる。まだかなりの距離があるが、ひざの状態も少なくとも悪化はしていないので、登頂に問題はなさそうだ。
長めの休憩をとり、行動食を補給。


つづく。