uruya’s diary

夏山登山とツーリング。冬は鉄分多め。

利尻礼文満喫の旅 その2

1436 登山口


キャンプ場からもう5kmほど北に進むと登山口。いきなり民家の横を通っていくという乱暴さ。海抜数メートルの位置に登山口がある山ならではの光景だろうか。早朝に団体客なんか来たら、この家の人いい迷惑じゃないかとも思ったが、みやげ物なども取り扱っている商店のようなので商売半分だろう。自分も自販機で水買ったし。
こんな時間から山に入るバカもそうそういないが、クマもいないし明るいうちに下山できるしいいんじゃないの、と無責任なことを言ってみる。

1444 10分弱でこの風景


いきなり急斜面のつづら折り。ぐいぐいと高度を稼ぐ。しばらく登って平坦な道に出ると、北側の視界がひらけた。これですよ、これが礼文の景色。ちょっと高いところに登るともう絶景。どこへ行こうが絶景。右の岬が金田ノ岬、中央にある道路は澄海岬へつづく道かな?
しかしまあ眺めがよかったのはここだけで、ここから先1時間ほど視界のない森歩きを強いられるわけだが。

1513 ダケカンバ帯(注:ここは標高270mです)

1529 ハイマツ帯に変わる(注:ここは標高370mです)


あまりに単調で飽き飽きしてきたので森の道を撮影して気をまぎらわす。このあたりはもうだいぶ上空が開けてきているが、道中はほぼ起伏のない、じつに退屈な森歩きだ。しばらく平地を歩くとちょっとだけ登り、また平地をずーっと歩くとほんの少し登り、という繰り返し。まだるっこしいったらない。
しかし植生はおもしろい。100メートルくらいまではトドマツ・エゾマツ、200メートルでダケカンバ、300メートルではもうハイマツが現れる。北海道の山は本州の山の+1000メートルくらいの気象条件だとよく言われるが、礼文島は標高2000メートルくらいゲタをはかせた感じだろうか。

1533 410mツインピークで一気に展望が開ける


やっと本格的な登りになってきた、と思った間もなく展望が開けた。あとひと登りだな。あっけない…とはいえ時間は少々押している。コースタイム1時間半と記憶していて1時間で登るつもりだったが、あとで調べたらコースタイム2時間の間違いだったw いや笑い事じゃない。時間読み違えてタイトな計画をたてたりしたらムリして事故につながりかねない。

1545 山頂三角点

1545 利尻山@山頂

1546 右に金田ノ岬、左ゴロタ岬@山頂

1546 金田ノ岬の先にサハリンが見える@山頂

1547 南側に連なる山塊群@山頂


登り1時間10分。山頂標識が壊れていたので三角点を撮影。
低標高なのに360度の展望。島の山ならではだ。雲がかかっている利尻山はくすんで見えるが、晴れている北側はすっきりと遠くまで見渡せる。サハリン…だと思うんですけどね、サハリン西方にある島かも。
そして島南方の山並みの景色、地味ながらこれも壮観だ。森林限界を越えて山深く分け入らねば、通常こんな景色は見られない。徒歩1時間ちょいでこんな景観を楽しめるのだから、つくづく礼文島おそるべし、である。

1654 下山


下り55分。全体で休憩なし2時間5分、休憩込み2時間20分。
1時間で登って15分休憩、45分で下山の予定だったから合計20分の押し。コースタイム読み間違えたわりには誤差範囲内。登りと下りがそう変わらないのは平坦な道が多かったからだろう。
日没まではまだ時間があるのでゆっくり休憩し、キャンプ場を素通りしてまず香深港へ風呂に入りにいく。

1734 うすゆきの湯


礼文島唯一の温泉。香深港、フェリーターミナルの並びにある。ナトリウム-塩化物・硫酸温泉。かなり塩素くさい。が、文句はいわない。最近オープンしたここがなければ風呂に入れないわけで。
礼文島が見える眺望が売りだが、下部は目隠しされて立ち上がらなければ見えない構造。すぐ前が港で船から丸見えだしな、これはしかたないかも。
あと飲食店がないのが痛いなあ。離島はどこもそうだけど、旅行者は宿でメシ食うしか選択肢がないわけ。飲食店は観光客向け昼食に特化している。観光客のいない冬場を考えたらそうそう営業できないのはわかるが、地元の人だってたまには外食するでしょ。その証拠にセイコマは地元民ですごい混雑だったぞ?ここに飲食店があったらそれなりに繁盛すると思うのだが。

1902 本日のディナー&明日のモーニング


そうなのよ。温泉に飲食店があればこんなことには。もうね、田舎の店はびっくりするほど閉店時間守らない。北海道らしいといえばらしい。
かろうじて居酒屋はやってたが、居酒屋で海鮮食うと100%飲む。どうしたって飲む。飲まざるを得ない。札幌で5km歩くのは平気だが、礼文島の夜を5km歩くのはカンベン願いたい。そうなるともう、セイコマしかない。
左が夕食、右が明日の昼食。わびしいと言えばわびしいが、セイコマのホットシェフはかなり味がいい。コンビニ弁当といえばまずい、値段が高い、カロリー高いの三重苦だが、比較にならないくらい安くてうまい。特にカツ丼はなかなかのレベルである。


つづく。