uruya’s diary

夏山登山とツーリング。冬は鉄分多め。

礼文島完結編 その2

1343 礼文林道分岐


ここまで21分。
車道を歩いて礼文林道の分岐点まで到着。ここで真剣に悩んだ。今日猫岩と地蔵岩に行って、礼文滝を明日に回すか。もしくは礼文滝をまた積み残すか。
香深港から遠ざかるほどに雨がおさまってきていたので、低い雨雲は香深周辺を流れていると判断。予定どおり礼文滝へ向かうことにする。結果的には正解だったかな。最初から晴れていれば言うことはないのだが、天候ばっかりはそうそう都合よくはいかない。

1417 礼文滝分岐


ここまで1時間ジャスト。
時折ぱらぱらと大粒の雨が落ちてくるが、概ね雨はやんでいる。そろそろレインウェアがうっとおしくなってきたが脱ぐのも面倒だ。そのまま進む。

1433 沢まで下る


かなりの勾配がある森のあいだを抜け、小ピークまで登り返すと小さなケルンが積まれている場所に出る。眼下に沢が流れているのが見えるが、要するに、あの沢が終点で滝になっているのである。あそこまで下らねばならんのだ。うへえ、うんざり。
そして礼文島では、このような地形の場所は必ず風の通り道になる。衝立のように南北に広がる礼文島がさえぎった西風は、地形の開けたところをめがけ、突風となって吹きつける。
急斜面をつづら折りに続く道を、強風に気をつけながらゆっくり下っていく。

1435 エゾノハクサンイチゲ

1441 キジムシロ

1441 ミヤマオダマキ


このあたりから花の姿が目立ちはじめた。単調な下りを彩るように咲いている。あいかわらず名前はわからないわけだが。
ネット検索して「たぶんこれだろう」程度で同定しているので、間違っていても当方関知しません。

1443 渡渉を繰り返す


道が整備されていたのは沢に下るまで。ここから先は少し荒れてくる。といっても、整備する気は満々な模様。ロープなどの資材があちこちに置かれていたので、そのうち礼文滝までしっかりした道が作られるのだろう。
何度か渡渉を繰り返して進んでいくのだが、このポイントがいちばん苦労した。画面右から来て左上に抜けるわけだが、足を置く場所がない。多少水に入ってもいいけど、水の中の石って思いのほかすべったりするので注意が必要だ。水量は少ないが、濡れたくはないしケガしたらやっかい。往復するあいだ誰とも会わなかったので、たぶんこの道は日に何人も通らない。

1447 謎の通行止め標識


あと少しという地点で、謎の通行止め標識を見かける。なんぞこれ?

1450 崩落ぎみの道


おおっ…もしかしてここが通行止め…?確かに崩落しているように見える。うわー、どうしようかなあ。あともうちょっとで着くんだけど…
かなり逡巡。

1452 引き返しかける


んで、ちょっと引き返しかけたわけですよ。そこで気がついた。あっ、さっきの標識のあった地点からうっすら踏み跡が見える。写真じゃわかりにくいが、肉眼では踏み跡がしっかり見えた。なるほど、さっきの通行止めはあの道のことだ。帰りに標識をよく見たら、左礼文滝0.1km、右礼文林道1.9km、真中の道通行止め、とちゃんと書いてあった。
なんだ通れるんじゃん…気を取り直して崩落しているように見えた道を通ってみたら、案外簡単に通り抜けられた。楽勝の部類だ。まあでも、下がせいぜい5〜6mだから通れたけど、もっと高かったら高所恐怖症的に無理な道ではある。

1455 西海岸に到達


海だ〜!ジャカジャン(樋口さんタイミング)

1457 礼文


フェリーターミナルから1時間40分。ここで8分休憩し、やっとレインウェアを脱ぐ。いいかげん暑かった。心なしか気温も上がってきている。
苦労して来たわりにはチープな気もするが、これで1ミッションクリア。いやあ、引き返さないでよかった。

1458 宇遠内方面


宇遠内へ続く海岸線…線というのか、これ。崖だ。旧8時間コースはここを通るはずなのだが、どこをどうやって通れと。ロープを通す鉄輪が残っているのが見えるが、ロープがあったとしても難しいと思われ。いわんや廃道になってかなりの時間がたった現在において、このルートを歩くなんてのはロッククライミング経験者がやることじゃなかろうか。ザイルなどの装備が必要だろう。今日は波が高いので状況が悪いことを考慮したとしても、こんな道は通れたもんじゃない。

1538 分岐まで帰還


東海岸から登って西海岸に下り、帰りは逆ルートをたどる島横断コースである。礼文林道までひたすら登り。
まあでも落下加速度がつかないぶん、下るより登るほうが楽だ。帰りは行きより距離が短く感じるので特に。

1629 ここを中継点とする


帰りは1時間23分。全体で3時間4分。休憩込み3時間15分。
桃岩・元地方面へ続く道道への近道の、正面にある商店。来たときは普通に車道を歩いていったが、明日はここからスタートとする。さすがに近道の入口までは覚えていなかった。というか近道があるのを忘れていた。

1651 宿


本日の宿。いやあ、迷った迷った。ネット上にある地図が適当なのばっかりで、狭い範囲なのにぜんぜん場所がわからなかった。最終的には個人ブログを検索して外観を確認し、港をぐるっと見渡して「あれかも…?」と思ったところに行ってみたらビンゴ。香深港のいちばん北、どんづまりにあった。
礼文島は6月から本格観光シーズンを迎えるので、6月1日を境に宿泊料金がはね上がる宿が多い。カレンダーの関係で今年は5月31日からだ。さらにバフンウニが6月上旬から解禁になるので、それ以降はもう一段階料金が上がるのだが、これは食事にバフンウニがつくのを意味するので、まんざらぼったくっているわけではない。
この宿を選んだのは、5月31日まで春料金だったから。あと5月31日期限のじゃらんポイントが使えたので。今回もリクルート様のばらまきポイントのお世話になっておりますw

こじんまりした宿だが評判は悪くない。部屋はすべて和室で、8部屋のみ。この日は宿泊客が少なかったので8畳部屋を割り当てられた。通常2〜4人に使用する部屋だと思われる。

風呂のみはイマイチという話だったが、なるほど、これは家庭の風呂以外の何者でもない。基本ひとりずつしか入れないだろう。汗を流せればいいので問題ない。

1802 夕食


据膳。宗谷牛陶板焼き、毛ガニ半身、スモークサーモンのシーザーサラダ、お造り4点盛り、ホッケ煮付け、イクラ、お新香、いんげん胡麻味噌あえ、もずく酢、うに入り茶碗蒸し。
刺身は甘エビ、白身魚、イナダ?、イカ白身魚はなんだろう?もちもちした食感。ソイじゃないかという気がするが。ハマチっぽい見た目の魚は脂のりが少ないのでイナダだと予想。
メインの宗谷牛はそれほど高級な肉ではないが、しっかりした赤身で肉の味が濃く、うまかった。


後出しは2品。ホタテガーリック焼きとじゃがいもまんじゅう。どちらも絶品。できたてを持ってきてくれるので、熱いうちにいただく。ホタテは肉厚、かつガーリックとバターの風味がとてもよい。じゃがいもまんじゅうは、じゃがいもをこねて饅頭状にしたものを蒸かし(おそらく蒸かしてある)、あんをかけたもの。ふんわりやわらかく、やさしい味わい。上あごをやけどしたのはご愛嬌w
派手さはないが、ちゃんとした料理だ。そして適正量。例によって冷酒を2本ほど飲んでいるが、飲んだら食えなくなる自分でも、それほど腹が苦しくなることなく完食。飲まない人なら、ご飯を頼めばちょうど満腹になる量だろう。夕食に食いきれないほどの量を出す宿が多いけど、これくらいの方がいい。


食後、部屋に戻ると布団が敷いてあった。部屋飲み用にもう一本もらってきた冷酒を飲みながら、適当にザックに突っ込んでおいたレインウェアを詰めなおしたり、明日の予定をチェックしたり、メモをつけたりする。
0330に起床してから動き詰めなので早く寝なければまずいと思い、まったく眠くはないが21時に消灯し布団に入る。自覚症状はなかったが、かなり疲れていたのだろう。ほどなくして眠りに落ちてしまった。


つづく。