uruya’s diary

夏山登山とツーリング。冬は鉄分多め。

北見温泉一泊 その1

要旨

何のひねりもなし。温泉1泊して帰る。

計画

前から行きたかったポン湯へ行く。

行程

0500 自宅発

0430起床、洗顔してそのまま出発。0600札幌発の旭川行き始発に乗るには、JR駅まで徒歩で向かう必要がある。地下鉄が動いていないからだ。JRの始発に合わせて始発設定しろって話だ。まあそれはさておき。
最寄JR駅は苗穂駅。通常なら1時間みておけば間違いない距離。しかし前日、暖気が入って雨が降っていた。朝になってそれが凍結し、街全体がスケートリンク状態。ツルツルにすべって歩きにくいことこの上ない。
駅到着がギリギリになってしまったため、朝食はコンビニ調達。まあ転ばなかっただけで良しとしよう。

1028 上川駅


925D 札幌発旭川行 普通 0603苗穂→旭川0856
4523D 旭川発上川行 普通 0907旭川→上川1024
岩見沢あたりから爆睡。気がついたら旭川に着いていたので、乗り継ぎよく上川行に乗り換え。
上川駅前は大雪。20センチくらい積もった感じかな。除雪が追いついてないようで、歩道に道がついておらず、これはこれでやっぱり歩きにくい。

1043 上川バスターミナル


上川から先は異様に乗り継ぎが悪くなるのでバスワープするのがいつもの手段。今回は特急石北号に乗るはずだったが…バスターミナルに行ってみたら、予約制だということが判明。空席を確認してもらい、席があったので事なきを得る。
事前の確認不足だ。自分のようにきっちり計画を立てるタイプには致命的なミス。まあ結果的にはガラガラだったけど、なにかのはずみで満席だったら詰んでしまう。気をつけたい。

1155 吹雪の層雲峡

1312 留辺蘂


北見バス 旭川発北見行 特急石北号 1115上川駅前→留辺蘂1312
旭川から上川にかけて吹雪だった影響か、15分遅れで上川発。層雲峡をすぎたあたりで爆睡モードに入り、目が覚めたのは留辺蘂の少し手前。空はきれいに晴れ渡っていた。大雪山から日高山脈にかけての山塊が雪雲をさえぎって、峠を越えると晴天。道東にはよくあること。
ちなみに留辺蘂の蘂は、ぱっとみで難しい漢字に見えるが、一度覚えると非常に簡単な字。小学生でも余裕で書ける。

1316 加根志め


留辺蘂にすごい天丼を出す店があるというのは、かなり前から知っていた。天を突くようなマウンテン盛りだという話。行ってみようと思いつつ機会がなかったのは、やはり立地のせい。留辺蘂を通りかかること自体が少ない。より正確に言うと、冬季に列車で通り過ぎることはよくあるが、降りる理由がない。行きたい店リストに入れてから、長らく暖めていた。
今回ついにですよ。温泉一泊の前に、懸案のこの店を攻略しておこうというわけ。
場所は留辺蘂駅を下りて、停車場線をまっすぐ進み、突き当りの角。駅からだと非常にわかりやすいが、車で行く場合は少しわかりにくいかもしれない。39号線から入った留辺蘂市街の奥にあり、北海道の町に似合わず道路がせまくごちゃごちゃしている。駐車場は店の横に数台分あった。
店内はカウンター8席と小上がり4卓。老夫婦が厨房に立っている。カウンターのすみに座って天丼を注文し、厨房内がすべて見渡せる構造なので作っているのをぼんやりながめていたら、おやじさんセットのたくあんに化学調味料をふりかけていた。なつかしいw むかし漬物に化調ふってたよなあ。

しばらく待っていると、まず膳が出てきて、その後に天丼がセットされる。なにこの天ぷらタワーw 丼のふたが垂直に立ってるんですけどw
ふたはタワーのバランスをとるためと、天ぷらを一時退避するためにある。上部の天ぷらをふたの上に移してからおもむろに食い始める。天ダネは、縦に長さのあるかき揚げ(ふた立てかけ用)、えび2本、いか、カニカマ、ピーマン、しいたけ、なす、白身魚の大葉巻き。通常の天丼の倍以上はあるね。やや揚げすぎなくらいしっかりと揚げてあって、カリカリの食感。
天ぷらの量に対して、ご飯の量は普通の丼ものと変わらない。これでご飯の量も多かったら結構なバトルになると思われるが、全体としてはまあ普通に食える量だ。
とはいえ、腐っても油ものである。ずっしりと重たい。ご飯に対して天ぷらの分量が多いため、口の中が油まみれになってしまう。むしろご飯の量も多いほうが、食っている間は楽かもしれない…食い終わってからがつらいと思うけど。
ビジュアルはものすごいインパクトだが、味的にはいたって普通かな。価格もまあ、こんなものだろうか。ちなみに味噌汁だが、味噌が薄くて化学調味料の味しかしなかった。むかしの食堂ってこうだったよなあ…オールドスタイルの古きよき食堂なんでしょうな。
少なくとも、この天ぷらタワーは、一見の価値があると思う。思わず笑っちゃいます。

1412 宿泊先


留辺蘂は温泉地帯の最寄り駅だ。西に10kmほど行くと温根湯温泉。「おんねゆ」はアイヌ語で「大きい温泉」を意味し、温泉街を形成している。東に1km進めば、一軒宿ポン湯がある。「ぽんゆ」は「小さい温泉」という意味のアイヌ語を語源としている。本日の宿はこちら。ポン湯三光荘。留辺蘂駅から徒歩30分ほどある。まあ普通は歩く距離じゃない。けど歩けないことはない。車社会の北海道民で、徒歩で行く人は皆無だと思いますが。自分のような物好きを除いては。
ゴルフ場を併設しているので夏は混むんじゃないかと思われ。この時期でも地元民と思われる日帰り客がひっきりなしに訪れていて、混んではいないまでも大浴場には常に人がいる状態だった。



チェックイン時間よりかなり早かったが、すんなりと案内される。部屋はこんな感じ。8畳部屋ですな。広い。後でわかったが、この日の宿泊客は自分ひとり。いちばん奥の部屋を割り当てられたようだ。窓からのながめはあまりよくないが、周囲に何があるわけでもなし、こんなものかな。
鍵は内部からプッシュする方式。金庫、冷蔵庫、洗面台などが部屋についている。テレビは全局視聴可。アメニティは歯ブラシのみ。伝統的かつリーズナブルな旅館和室としては一般的かな。ただちょっと、清掃状態がひどい。窓にハエ(この時期に!越冬してるのが暖かくなる昼間だけ活動するみたい)がいたり、電灯に虫の死骸がたまっていたりする。神経質な人なら怒っても不思議じゃない。自分は…まあこの値段だしね。立地や施設の老朽感を考えれば、こんなこともあるでしょう。

1803 夕食膳



18時から夕食。日帰り休憩所が食事会場になる。テーブルが4卓しかないが、客数が多いときはどうするのだろう。入れ換え制だろうか。
塩鮭、お造り3点盛り(サーモン、いか、甘えび)、ずわいがに・わかめ・クラゲの三杯酢、茶碗蒸し、きのこの和え物、香の物。デザートにみかん。鍋は寄せ鍋。食事は家庭料理なみだということを聞いていたので、なるほどそのとおりだね、という感想。晩飯をきちんと食べる人なら物足りないんじゃないかな。塩鮭の塩分が強めだったので、ご飯をガッツリ食えということだろう。
自分は夕食に白米は食わないので日本酒を頼んだが、スタッフが厨房の奥にいるし、客は自分だけだし、追加注文しにくくてコップ酒1杯だけで終わってしまった。自分としてはめずらしく少量の飲酒量。
でもきっと、頼みやすくてももう1杯くらいでやめておいたな。昼の天丼の油が腹にずっしりきててですね、晩飯は抜きたいくらいのコンディションでしたわ。この量を食いきるのに青息吐息。食事がしょぼいというのを聞いてたから、天丼を食ったというのもあるんだけど。

2149 大浴場


食事が自分のぶんしかセットされていなかったので、おそらく今日は貸し切りだということがわかった。素泊まり客がいる可能性もあったが、ほかの部屋から気配を感じない。いつもなら夕食前か直後に2回目の風呂に行くのだが、日帰り入浴終了後に行ってみた。日帰りは2130まで。
やっぱりというか当然というか、無人です。うわー贅沢だわー。この時間だとある程度飲んでるわけだけど、ぬる湯だし単純泉だし、湯疲れしないのでまったく問題ない。
ここで温泉ミシュラン(訴えられる表現)。手前浴槽が38度で、アイヌが使っていた温泉を買い取ったという、由緒正しい「ポン湯」。ほぼ体温と変わらない、不感温浴を楽しめる湯だ。泉質はアルカリ性単純泉、無加水無加温源泉掛け流し。かすかに硫黄臭。奥の浴槽が、後からポーリングして一発当てたという42度の湯。公称42度というけど、たぶんそれほど熱くない。十分にぬる湯の領域。こちらも泉質はアルカリ性単純泉で、無加水無加温源泉掛け流し。そして両方とも自然湧出。
なにが言いたいかというとですね。ぬる湯好きには天国なのですよ。部屋汚ねえとかメシしょぼいとか露天がないとかどうでもいいわ…しかも貸し切りですよ?なにこれこわい。いやあ、なんかホント、1点豪華主義の宿ですな。ぬる湯好きに限るけど。


あまり時間が遅くなってもなんなので、2230くらいで切り上げて部屋にもどり、ホテル自販機のビールを1本飲んでから就寝。日付は変わってなかった。


つづく。