uruya’s diary

夏山登山とツーリング。冬は鉄分多め。

真田太平記(八) 紀州九度山 / 池波正太郎

真田太平記(八)紀州九度山(新潮文庫)

真田太平記(八)紀州九度山(新潮文庫)

九度山に蟄居となった昌幸・幸村親子は、十年の日々を韜晦のうちに送る。徐々に関東の監視の目も緩やかになっていくが、その裏では、真田忍びたちが活発な諜報活動を展開していた。
着実に幕府の基礎を固めつつある家康は、福島正則加藤清正の動きを注視しつつ、豊臣家へさまざまな圧力をかける。秀頼へ次期天皇即位式典への参列を要請するが、豊臣方がこれを拒否すれば、ついに手切れとなると見られていた。
一方で世代交代が進みつつある。真田親子の助命に力を発揮した信之の岳父、本多忠勝が死去。そして九度山では、昌幸が死の床についていた。

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予想どおり九度山時代は、お江や佐助の動きがメイン。もっと幸村が前面に出るのかと思ったが、親子はひたすら恭順の体を示して期が満ちるのをじっと待っている。ちょお消極的。伝奇脳的には今でしょ!という、いくらでも引っ張れるおいしい場面なのだが、まあやりすぎると冗長だし。1巻ぶんで終わるのがちょうどいいかな。
次巻は昌幸の死、大坂手切れ、幸村入城という流れ。九、十で冬の陣、十一、十二で夏の陣だろうか。大坂城内のぐだぐだな状況に、幸村と真田忍軍はどう対処していくのか。悲愴な展開が予想される。