uruya’s diary

夏山登山とツーリング。冬は鉄分多め。

猫大名 / 神坂次郎

猫大名 (中公文庫)

猫大名 (中公文庫)

わずか百二十石ながら十万石以上相当の大名と同じ家格である岩松氏。新田氏嫡流でありながら、戦国期漂泊していた岩松氏は、家康が新田氏を僭称しようとしたとき、へそ曲がりの先祖が家系図の提供をにべもなくことわったため薄禄を得るにとどまった。しかし清和源氏の名家であり徳川家が私称している新田嫡流として家格だけは高いのだ。
ねずみ除けの猫の絵を描くことと、貴種の血だけで世を送っていた岩松氏だったが、そんな岩松氏にも第二十一代満次郎俊純のとき、幕末動乱の流れが押し寄せてくる。

─────

もちろんタイトル買い。買ってないけど。

しかし、こんないいネタを、どうやったらこんなにつまらなく書けるのか。謎だ。最初の半分は俊純主従の「こんな話がありました」的な小話で埋められてる。ストーリーというものがほとんどない。作家ってベテランになると書き飛ばしにかかるからなあ。
中盤以降になって、やっとまともに進行をはじめるけど、幕引きも尻すぼみ。新田官軍が素材ですよ?どうしてこうなった。

メインストリームではない人を描くという趣旨はわかるけど、こんな描き方ならエッセイでも書いてろって話。