uruya’s diary

夏山登山とツーリング。冬は鉄分多め。

ペガーナの神々 / ロード・ダンセイニ

ペガーナの神々 (ハヤカワ文庫FT)

ペガーナの神々 (ハヤカワ文庫FT)

<宿命>と<偶然>が賭けをして賽をふった。その勝者は、マアナ=ユウド=スゥシャイに近づき「われわれのために神々を造ってもらおう」と話しかけた。マアナ=ユウド=スゥシャイは神々を造り終えると休息についた。
神々はマアナ=ユウド=スゥシャイが眠っている間の手慰みに、世界を造った。太陽と大地、そして人間を。
やがてマアナ=ユウド=スゥシャイが目覚めたとき、それらの世界は終焉を迎える。マアナ=ユウド=スゥシャイは神々と、彼らが造った世界を打ち壊し、あたらしい神々をつくりあげるだろう。

─────

「二壜の調味料」でおなじみダンセイニ卿の手による創作神話。というかダンセイニ卿はもともとファンタジー作家だ。荒俣先生の翻訳。
あらゆる神話等の知識が下敷きになっているのだろうけど、ひとつひとつの挿話が奇想にあふれている。重厚かつ独創的。世界のどこかの国に、本当にこの神話が存在するのではないかという気にさせる。
世界観に奥行きがあるので、ラヴクラフトが創作したクトゥルフ神話に多数の追随作品が生まれたように、これを下敷きとした二次創作などがあればおもしろいのに、と思った。
なおラヴクラフトはダンセイニ卿から多大な影響を受けているらしい。