uruya’s diary

夏山登山とツーリング。冬は鉄分多め。

シャーロック・ホームズの冒険 / コナン・ドイル

ボヘミアの醜聞

スカンジナビア王女との結婚が決まったボヘミア王は、皇太子だったころ付きあっていた歌手アイリーン・アドラーが持っている、王とのツーショット写真奪還を依頼する。

赤毛組合

質屋を営む男は、従業員から薦められて赤毛組合に加盟していた。日中の数時間、大英百科事典を筆写するだけのかんたんなお仕事。それだけで毎日4ポンドを受け取っていたのだが、ある日突然、赤毛組合の事務所はもぬけのからになってしまう。

花婿の正体

失踪した婚約者を探してくれというメアリー・サザーランド嬢の依頼。メアリーはしがないタイピストであるが毎月10ポンドの遺産利息収入があり、暮らし向きは悪くはない。メアリーの母は、メアリーよりたった5歳だけ年上の男と暮らしており、この義父は結婚に反対していた。

ボスコム谷の惨劇

オーストラリアで成功し、いまはボスコム谷で農園を経営しているターナー氏は、当時の仲間であるマッカーシー氏と同じ敷地内に暮らしていた。
マッカーシー氏には息子のジェームズ、ターナー氏には美しい娘アリスがいたが、ある日ジェームスはマッカーシー氏殺害容疑で逮捕・起訴されてしまう。

五つのオレンジの種

ジョン・オープンショー氏の家に、数年置きにクー・クルックス・クランの署名と五つのオレンジの種が入った封書が舞い込む。
最初に受け取ったときは父、次はおじが謎の死をとげた。そしてついに、封書はオープンショー氏自身宛てに届いた。

くちびるのねじれた男

ネヴィル・シンクレア氏の妻から、夫を救出してくれとの依頼。
シンクレア氏はなにを商売としているのかよくわからないのだが、暮らし向きは悪くない男だ。その日はロンドンに出張に行くと言って家を出たのだが、妻がたまたま阿片窟の前を通りかかると、素肌に上着をひっかけただけの夫が窓から顔を出しているのを見つけた。あわてて警察をつれて阿片窟に踏み込むと、夫の姿はなく、くちびるのねじれた乞食がいるだけ。現場には夫の衣類だけが残されていた。

青い柘榴石

偶然手に入った、「ヘンリー・ベーカー夫人へ」と書かれた札の付いた鵞鳥と、フェルト帽子。鵞鳥の餌袋からは、大きな青い柘榴石がみつかる。ホテル・コスモポリタンで盗まれたモーカー伯爵夫人の宝石とみられ、その事件では客室係が容疑者として逮捕されていた。

まだらの紐

落剥したかつての名家の出であるロイロット博士は、インドで一旗あげようとして失敗し、妻と連れ子姉妹をともなって帰国した。妻はその直後に不慮の事故で死亡し、莫大な遺産はロイロット博士が受け継ぐことになる。ただし付帯条件があり、娘たちが結婚したのちには毎月相当な額をそれぞれに支払うというものである。
このほど結婚が決まったヘレン・ストーナーは、姉のジュリアが二年前、結婚直前に「まだらの紐(バンド)」と言い残して死んだことをホームズに相談する。

技師の親指

血相を変えて飛び込んできた水力技師には親指がなかった。技師はある屋敷に呼びつけられ、結果的に指を切り落とされるに至る冒険譚を語る。

独身の貴族

バルモラル公爵の次子、セント・サイモン卿はアメリカの鉱山成金の娘ハティー・ドーランと結婚が決まっていた。だがドーラン嬢は、披露宴の最中に忽然と姿を消し、以後消息不明になってしまう。

緑柱石の宝冠

融資の担保としてやんごとなき筋の所蔵品、緑柱石の宝冠をあずかった頭取。警備の不安からその品を自分の屋敷に持ち帰ったが、不肖の息子アーサーが緑柱石を盗もうとしている現場を目撃する。息子は警察に突き出したが、肝心の緑柱石のありかがわからない。
その夜屋敷にいたのは五人。彼と息子、身元の確かな使用人二名、そして亡き兄の娘、姪のメアリーである。アーサーはサー・ジョージ・バーンウェルという男にそそのかされ、賭けクラブに通いつめて多大な借金を負っていた。

ぶなの木屋敷の怪

破格の報酬で、ぶなの木屋敷と呼ばれる家で働くことになった家庭教師のヴァイオレット・ハンター嬢。条件は、栗色の見事な髪をばっさり切り落とすこと、決まった青いドレスを着ること、など奇妙なものであった。

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そういえばホームズって系統だって読んだことないので読んでみよう企画。まあだいたい、既読だったりネタだけは知ってたりする。しかし赤毛同盟はやっぱり名作ですな。

あと、まだらの紐ほど有名な作品もそうはない。読んでいるかいないかにかかわらず、9割以上の人がオチを知っているはず。数字はノー根拠ですが。
自分もかなりむかし初読した時すでにオチは知っていたが、バンド(紐)とバンド(楽団)がかかっていたというのは今回はじめて知った。なるほど、だから海外で支持されているわけか。解説でも糾弾されてるけど、この邦題ダメだよね。一方に対しての予断を与えちゃってるじゃん。興趣をそぐのもはなはだしい。

もちろん未読の作品もあるので、しばらく読み続けるつもりでおります。