- 作者: ウィリアムブリテン,森英俊,William Brittain
- 出版社/メーカー: 論創社
- 発売日: 2007/09
- メディア: 単行本
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ジョン・ディクスン・カーを読んだ男
密室殺人トリックを考案した男は、それを実行に移す。
エラリー・クイーンを読んだ男
老人ホーム内で金貨の盗難事件が起こった。ホームで孤立している老人が盗った盗らないで言い争いになっていたが…
レックス・スタウトを読んだ女
サーカスに勤める巨漢の女。お気に入りの蛇遣いの女が殺されたが、彼女はダイイングメッセージを残していた。
アガサ・クリスティを読んだ少年
ある町に、突然大学生たちが大挙して訪れ、てんでに奇妙な行動をはじめた。
コナン・ドイルを読んだ男
地方新聞の社主へ、たいして親しくなかった男から奇妙な手紙が送られてきた。その後別の男が現れ、手紙はスパイ活動にかかわる暗号文だという。
G.K.チェスタトンを読んだ男
猥褻な写真を手にしたまま殺された同僚の名誉を挽回すべく、事件を調べる神父。
ダシール・ハメットを読んだ男
蔵書を図書館に寄贈するためのテスト。館内に隠した、ある書籍を見つけ出せ。ミステリマニアの書架係が謎解き役に抜擢された。
ジョルジュ・シムノンを読んだ男
高価な美術品を運搬する、運送屋の二人組。だが、届け先の屋敷はどことなく様子がおかしい。
ジョン・クリーシーを読んだ少女
宝くじに当たった男が殺されて金を奪われ、ダイイングメッセージを残した。この謎に挑むのは担当警部の幼い娘。
アイザック・アシモフを読んだ男たち
片田舎で急成長したスーパーの催し。2桁数値5組で成る金庫の番号を推理し、中の金を手に入れろ。集まった好事家たちが互いの推理を披露する。
読まなかった男
妻を交通事故で失った男。暗室を作ろうとレンガを積んでいる現場に、妻を轢いた男を呼び寄せる。
ザレツキーの鎖
売れないマジシャン兼盗賊と、長年それを追いつづけていた引退警部。資産家のプロデュースで勝負が行われることになった。ザレツキーの鎖から脱出できればマジシャンの勝ち、名誉と評判を得ることができる。脱出できなければ警部の勝ち、盗賊仕事の決定的証拠を得ることができる。
うそつき
国立生物学研究所で、古くから勤めている老人の身に、立て続けに不審な事件が起こった。飼っているカナリアが殺されたり、戸棚からヤスリが落ちてきたり、狼男のマスクをかぶった男があらわれたり、"ブラック・ジャック"ことパーシング将軍のポスターが枕元に落ちていたり。
プラット街イレギュラーズ
トーレンソンの質屋で起こった泥棒騒ぎ。トーレンソンの家には、年頃の息子と、東欧で強制収容所に入れられ心に傷を追った妹が同居している。盗っ人にバットで一発くらわせてやったと息巻き、警察を呼ぼうとするトーレンソンだが、警察を信用していないプラット街の人々は、プラット街イレギュラーズを結成して独自に調査をはじめる。
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ミステリ作家のオマージュ・パロディ集。未読作家が多いけど、これだけビックネーム揃いだと未読でも特徴は知っていたりするので、問題なく楽しめた。もちろん読んでいる作家の方が、どのあたりをいじっているのかわかりやすい。原文で読んだら文体模写なんかもしてるのかしらん?
パロディの部分も楽しいが、ミステリとしても、なかなかしっかりしている。これ意外に大事なことで、本筋が通ってないと、ただのモノマネで終わる。
「読んだ男」シリーズが11編、似たようなテーマの短編が3編の構成。冒頭の表題作が非常に秀逸なパロディになっているので、立ち読みでどうぞ。きっと買いたくなります。