uruya’s diary

夏山登山とツーリング。冬は鉄分多め。

怪 vol.0041 vol.0042 vol.0043

怪 vol.0042 62485‐54

怪 vol.0042 62485‐54

怪 vol.0043 62485-67

怪 vol.0043 62485-67

1年ぶん放置してあったので一気にまとめ読みしました。

化け物本草 オランダ錦司蔵開き / 荒俣宏

第三話 豌豆瘡(わんずかさ)

ばけもの屋錦司は、江戸の生薬商いわしや市左衛門の奥方から豌豆瘡(天然痘)の予防薬を依頼された。奥方はむかし痘瘡にかかり、ひどいあばたが残っている。このたび蝦夷の支店にいる娘が孫を産んだため、その子には自分のような苦しみは受けさせたくないのだという。つまり、牛痘の痘苗を植えたいということだ。だがこの時代、その入手は困難を極める。インドネシアバタビアにある東インド会社が製造した痘苗は、日本に運ぶまでの間に死滅してしまうのだ。
しかし奥方は、錦司が痘を日本まで運んできた経験があることを調べ上げていた。それは錦司が幼いころに見た、地獄の記憶であった。

第四話 一角魚(うにこうる)

ロシアの通商交渉団としてプチャーチン艦隊が長崎に入港していた。応接掛となった川路聖謨は、ばけもの屋錦司を呼んで交渉の席の趣向を相談する。川路のねらいは、交渉を引き伸ばして勝ちでも負けでもない「引き分け」に持ち込むことである。相手に屈するでもなく、こちらから突っぱねるでもなく、穏便にお帰りいただくことだ。そして決着は、長崎ではなく江戸でつけてもらえばよい。
この問題に対する錦司の回答は「ウニコウル」を土産として持たせてやることだった。毒を浄化し不老不死をもたらす薬だが、一般に出回っているのは一角魚のツノ。ニセモノである。本物は一角獣のツノで入手困難を極める。しかし錦司には入手するあてがあった。
その一か月ほど前。唐物屋の主人が空から降ってくるという事件があった。もう数百年ものあいだ、数十年置きに唐物屋にあらわれる徐仙という仙人。それを追って主人が姿を消したのが十年前のこと。唐物屋の屋根を突き破って帰ってきた主人は、失踪する前よりも十歳ほど若く見えた。

虚実妖怪百物語 / 京極夏彦

第十回〜第十二回
YATの毒ガス攻撃を控えて風前の灯火である荒俣邸。だが、呼ぶ子のもつ力に香川が気づいたとき、現状打開の糸口が見えた。それは文字どおり、呼ぶもの。概念を実体化する装置だったのだ。荒俣は學天則を概念イメージ化し、人型ロボ學天則ジャイアントとして荒俣邸を発進。所蔵品の付喪神らと共に陽動を行う。残った平太郎らは、その隙に富士裾野の水木別荘に集結している京極らに連絡をとり、救援を仰ぐ。
クトゥルー神を背負った黒の家には、噂を聞きつけた全世界の愛好家が集結。クトゥルーは純粋創作の神であり妖怪ではないことを訴え、保護を求めるデモをはじめる。
荒俣邸の現場には仙石原知事が乗り込み、陣頭指揮をはじめる。が、そこに特攻してきたのが怪談蒐集家の木原である。木原はヘリからパラシュートでダイブし、仙石原の左目を槍で貫ぬくことに成功。そのまま射殺された。だが、確かに脳に達する傷を受けたように見えた仙石原だったが、報道されたのは仙石原無傷という情報だった。
樹海の穴の底。石でできた祭壇に寝かされたふたりの男の体。ひとつは仙石原の死体であり、腐臭を漂わせている。その左目には穴が穿たれていた。もうひとつは与党幹事長大館伊一郎である。現れた加藤保憲は、ダイモンの憑代を仙石原から大館に移し替えた。

過ぎ去りし王国の城 / 宮部みゆき

第七回・最終回
城田とパクさんは、この世界についてひとつの仮説を立てた。

もどき開口 -木島日記完結編- / 大塚英志

第十六回〜第十八回
蛭子となった折口は父殺しにでかける。折口にとっての父とは柳田である。


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『オランダ錦司蔵開き』
四話で完結っぽいが最終話は「続きは単行本で」方式。こういうパターンだと逆に、絶対に買わないという決意を抱く。まあ最後まで乗ってても、それはそれで買わないわけだけど笑


『虚実妖怪百物語』
荒俣ロボwwwww ワロタwwwww
失礼、つい草が生えました。というかマジで雑煮吹いた。
だって荒俣ロボですよwww 荒俣先生が巨大化した學天則にパイルダーオンしてる絵を想像してくださいよwww 腹いてえwwwww


『過ぎ去りし王国の城』
ファンタジーかと思ったらスーパーナチュラル系ミステリでした。ふんわり完結。


『もどき開口』
ラスボス然として登場した柳田が、さらりとすべての謎を解いた。シリーズ全体のちゃぶ台をひっくり返したものだと思われます。シリーズ読んでないのでよくわかりませんが、おそらく。真っ当な読者なら「な、何だってーっ!」と叫ぶところかと。
これまで何が起こっているのかさっぱりわからなかったのも、柳田の説明である程度納得。なるほどねー。あと幻想的かつペダンティックな描写は、そういうものだと思っておけばいいんだな。
大ネタが炸裂したので、そろそろ完結に向かう局面に入るだろうか。