怪 vol.0040 62485‐21 (カドカワムック 516)
- 作者: 水木しげる
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 2013/11/30
- メディア: ムック
- この商品を含むブログ (3件) を見る
7月に42号が出るはずなので、次もまた2号ぶんまとめ読みになるかな。
化け物本草 オランダ錦司蔵開き / 荒俣宏
第一回 歇伊止武礼児(ヘイシムレイル)
長崎にて、ばけもの屋を営む蛭子錦司。またの名を、オランダ錦司。六尺を越える大男で、父親がオランダ人、母親は丸山の芸妓だった。あつかう商品は、奇妙キテレツな舶来品。秘薬、毒薬、奇獣の標本などである。
賀来睦三郎という初老の本草学者が錦司を訪ねてきた。いや、呼び寄せられたのだ。イギリスのマソン組合というグループが、生きている人魚をつかまえたという。組合の偉いさんが重篤な病におかされており、それには人魚の肉が妙薬になるらしい。そこで彼らは錦司に人魚の解体を依頼。錦司は、腑分けの経験がある賀来の力を、本草学者としての知的探求心をエサにして、借りることにしたのである。
組合がつけた注文は、人魚を完全な形でのこすこと、切り取るのは皮膚の一部とヘイシムレイルという部位にすること、そして解体前に人魚の姿を写真に写すこと。運ばれてきた人魚は、甘いエロティックな腐臭を発する、西洋人の婦人の姿をしていた。
虚実妖怪百物語 / 京極夏彦
第八回
黒にまとわりついていたしょうけらは、いつのまにかクトゥルー神に変化していた。
エノキヅは荒俣邸に研究助手として拾われていた。荒俣邸は大先生所有のマンションを一棟まるまる借り上げて一部を改造したもので、倉庫には本物學天則などの珍品奇品が所蔵され、妖怪関係者たちが集まっては研究を行っている。
その荒俣邸へ、暴徒が押し寄せてきた。
過ぎ去りし王国の城 / 宮部みゆき
第五回
パクさんの家をたずねた二人は、パソコンにモデリングされた絵のなかへ、ペガサスをアバターとしたパクさんといっしょに突入する。
このとき二人はいつにも増した疲労感を感じる。さらにいじめっこたちの顔を持った蛇や猿の幻覚があらわれる。この世界が二人の精神にアクセスし、いじめっこの情報を収集したため疲労が増大したものと思われた。
現実世界にもどった二人はパクさんの精神も絵の世界から戻す。ペガサスになったパクさんは城の中を確認することに成功していた。パクさんが見たのは、十年前に失踪した女の子だった。
第六回
女の子の名は秋吉伊音という。失踪当時九歳。母親は秋吉尚美、当時二十六歳。十七歳のころ産んだ子で、父親が誰かもわからないという。父親は窪田俊、当時二十三歳。姓が違うのは内縁の夫であるためだ。尚美が窪田俊と暮らし始めたころから、伊音ちゃんは目立って痩せはじめ、身なりも不潔になっていったらしい。典型的な「複雑な家庭環境」というやつである。疑惑は当然のように両親に向けられたが、結局事件は未解決のままになってしまった。
パクさんがこの事件と関わりをもったのは、失踪後九年目のこと。生きていれば十八歳になっている伊音ちゃんをふたたび探そうという運動が起こり、似顔絵を依頼されたのがきっかけだった。
真は図書館をあたり、そのとき作成された文集を読んでみる。すると、伊音ちゃんはかなり絵がうまかったことが、同級生の作文からわかった。絵のうまかった少女がそのまま成長し、あの絵を描いたのだとしたら…? 伊音ちゃんは、生きているのかもしれない。
もどき開口 -木島日記完結編- / 大塚英志
第十四回
安江仙弘の運転手として八坂堂を訪れた清水義秋は、鼻梁に青いシミのある男が古書を買う幻を見る。安江はそれがすべての起源<オリジン>だと指摘する。
八坂堂に木島は不在だったが、兵頭北神の姿があった。
甘粕はキネマを撮っている。世界の因果律は物語となった。しかもそれは、父殺しの物語である。ある男が、古書を買ったときからそれは始まったのである。
第十五回
大杉は、娘と同じ名を持った最後の恋人、魔子の幻を見る。大杉が死んだのち甘粕の求婚を受け、その後も波乱万丈な物語の中を生きる魔子。彼女の現在の名は、美蘭である。
美蘭を殺し切り刻んだ木島は、春洋と一体化する。現し世と隠り世が一体化する予兆として分裂した二人は、一人となった。
シリーズ「失われた地図」 / 恩田陸
第五回 大阪アンタッチャブル
遼平と浩平の大阪出張に助っ人としてあらわれたのはカオルである。元陸自空挺部隊所属、国体レスリング選手のマッチョなおねぇだ。
今回のグンカの住処は、かつて大阪城内に存在した第四師団司令部。しかし大阪城は、お盆という季節柄か、戦国時代や平安時代の亡者どもにぐるっと取り囲まれている。こいつらを避けていかねば現場にたどり着けない。
第六回 呉スクランブル(前編)
またしても同じメンツで出張。今回は呉。呉湾に浮かんだ戦艦大和の幻がターゲットだ。
─────
『オランダ錦司蔵開き』
アラマタ先生の新連載。変換できないったらない笑
「藜」が出てきたのはやるな、Anthy。「歇」に至っては読み方すらわからない。「曷ヘンに欠」で検索したら、読みはケツらしい。んで、ケツを変換してみたら出てきたよ「歇」。Anthyすげえ。ときどき、え?それ変換できないの?ってのが変換できないけど。
# 調べたら春申君の諱が「歇」だった。でも読みはアツ。
内容の話をまったく書いていないが、まあいいか。いつものペダンティックなアラマタ節。
『虚実妖怪百物語』
アラマタ先生が生首になるわけですね、わかります。
楽屋落ち楽しそうですね(鼻ほじりながら
というか久禮って誰だっけ?
『過ぎ去りし王国の城』
こういう「ちょっと嫌な話」が絡んでくるのは宮部フォーマットですな。
『もどき開口』
この回はおそらくかなりのネタバレを含んでいると思うのだが、あいかわらず何がどうなっているのかさっぱりわからないので断言はできない。
最終的に通しで読んでみないとわからんだろうな。
『失われた地図』
サブタイトルが椎名林檎風。