uruya’s diary

夏山登山とツーリング。冬は鉄分多め。

聊齋志異(一) 嫦娥之巻 / 柴田天馬・訳

聊斎志異〈第1巻〉嫦娥の巻 (1951年)

聊斎志異〈第1巻〉嫦娥の巻 (1951年)

西湖主

燕の人陳弼教は、貧しかったため副将軍賈綰の書記として出稼ぎに出た。洞庭湖で賈綰は猪婆龍を捕らえるが、不憫に思った陳は、それを逃がしてやった。
一年後、帰途についていた陳はまた洞庭湖を渡るが、船が難破し、山をさまようことになる。そこで女武者が狩りをしているのを目撃し、僕者に聞いてみると、あれは西湖公主であると言い、隊列を乱せば死に値するとおどす。あわてて逃げ出し、なおもさまよっていると、公主の屋敷にたどりつく。公主は美しい娘で、ハンカチを落とすのだが、公主の姿に感銘した陳は、ハンカチを拾い上げてその上に詩をしたためる。それを知った屋敷の女は、それは死罪をも超える罪であると告げる。

妾撃賊

ある金持ちの妾は非常な美人で、本妻によくいじめられていた。あるとき盗賊があらわれ屋敷に押し入ろうとしたとき、震えおびえている主と本妻を背に、妾が棒を振り回して盗賊を撃退する。

鞏仙

鞏道人というものが魯王に会わせろと押しかけてきた。追い払うと、今度は百両の金を持ってきて、王に会わなくてもよいから中で遊ばせろという。喜んだ侍従が中に入れて案内していると、塔の上で突然道人に背中を押され、葛に吊り下げられて宙吊りになった。騒ぎを聞きつけた王がかけつけたとたん、吊り下がっている高さが1尺にも満たないことに、皆が気づいた。感心した王が道人を招くと、道人はいろいろな不思議な技を見せるのだった。
さて、道人は尚秀才の家にたびたに起居していたが、尚の恋人である恵哥という歌姫が、その歌声の評判のため王の供奉に加えられたので、会うことができなくなった。道人は尚を袖の下に隠し、逢引の手助けをしてやった。

辛十四娘

廣平の馮秀才は若く陽気な酒飲みである。ある時いつもどおり酔って帰ると、古寺に美人がいるのを見る。訝しんで寄ってみると、老人が出てきてあれは娘だというので、はずみに結婚を申し込んでみる。老人は縁談は仲人にまかせきりだと言って断り、馮を追い払った。
放り出された馮は、群君の老夫人の屋敷にたどり着く。老夫人は馮の大叔母にあたり、話を聞いて仲人役をつとめ、たちまち婚儀の話をまとめてしまった。あとでわかったことだが、老夫人はすでにこの世にない幽霊であり、娘は狐であった。
やがて約束どおり娘が輿入れし、馮もこれだけの麗人であれば異種でもかまわないとし、まったく気にしなかった。
さて、馮の暮らす村に、楚という役人の公子がおり、親しく付き合っていた。しかし娘は、あれは豺狼のような男なので狎れてはいけないと、たびたび諫める。そうこうしているうちに馮は、公子の計略により殺人の冤罪を受けることになった。

宅妖

長山の李翁の家には、妖しいことがたくさん起きた。

羅刹海市

馬駿は商売人の息子で、かなりのイケメンだった。隠居した父のすすめで商売の後を継ぎ、人に同行して海を渡っていると、羅刹国に出る。そこは容姿が醜いものほど出世する国だった。侍者は珍しい漢人を王に紹介するが、王はその容姿が奇妙であることを見て登用しない。しかし馬が顔に煤を塗って張飛の舞いをすると、王はやっと美しくなったと喜んで儀仗として召した。
しかし日が経つにつれ、あれは本物の顔ではないとの噂がたったので、馬は職を辞して最初に流れ着いた村に戻り、得た金品を分け与えた。村人たちは喜び、こんどは馬を海市に案内する。それは海人や神々が交易をおこなう、海上の市である。
馬はそこで東陽龍王の王子と知り合い、龍宮へ招かれる。王は馬を気に入り、自分の娘を妻として迎えさせた。馬も美しい姫を気に入り、三年のあいだを龍宮で過ごした。

杜小雷

親孝行な杜小雷は、母のために団子を作るよう嫁に言いつけるが、嫁は団子にフンコロガシを混ぜておいた。母が団子を食べなかったのを見てそれを知った杜は、ひどく怒ったが嫁に何も言わない。あまりにも気が引けたのか、そのあたりをうろうろしていた嫁は、そのうち豚に変化してしまった。

香玉

椿と牡丹がきらびやかに咲く労山の下清宮。そこに部屋を持つ黄という秀才は、ある日赤い着物と白い着物を着た二人の美女を見かける。白い方は香玉といい、すぐに黄と親しくなった(性的な意味で)。赤い方は紅玉の姉で絳雪といい、奥手である。ふたりは道士によってここに閉じ込められているという。
ある日香玉が別れを告げにきて、翌日気がつくと白牡丹が一本、気に入った人の手で掘り起こされて消えていた。
かわりに絳雪が部屋に出入りするようになるが、やはりある日、黄に急を告げにくる。あわてて駆けつけてみると、道士が普請の邪魔になる椿を切り倒そうとしているところだったので、なんとかこれを阻止した。
しばらくして絳雪は、花の神様が紅玉をまたここに生まれさせてくれるという。果たして紅玉が現れたが、その姿は幽霊のように実在感がない。紅玉は花の世話を黄に頼む。もとの場所に行ってみると、そこには牡丹の芽が出ていた。

單道士

韓という家の公子は、單道士を気に入って食客としていた。隠れ身の術を得意とする道士にその伝授を頼むが、單は頑としてそれを断る。それを根に持った公子は、姿を消しても場所がわかるよう小麦粉を巻き、仲間に單を殴らせた。その後、單は別れを告げ、壁に城壁の絵を書くと、その中に消えて行った。

花姑子

安幼輿は猟師のとった獲物を買い取って放してやることがよくあった。
ある日親戚の葬式の帰り、道に迷って暗くなり、遠くの明かりを目指して歩いていると、老人に呼び止められ家に招待される。老人が、わしの恩人が来たと家のものに告げると、老婆と美しい娘がでてくる。安は娘の花姑子に心を奪われてしまった。帰ってからも花姑子が忘れられず、老人の家を探してみるがどうしても見つけられない。恋患いで寝込んでしまうまでになったが、花姑子が安の屋敷を訪ねてくるようになったので一度に回復した。
そうしているうち、花姑子の案内で再度老人の家を訪ねると、遠方に引き去るので合うのは今日が最後だと宣言される。そして娘と一緒にいるところを老人に見咎められたので、そのまま逃げ帰ってしまった。
数日すると我慢ができなくなり、安はまた老人の屋敷を訪ねてみる。しかしそれはニセモノで、花姑子に化けた何者かに生気を吸い取られた安は、翌日死体で発見された。そこにあらわれた花姑子は、十七日のあいだ棺に収めないよう家人に告げて毎日泣きに来ていたが、七日目に安は息を吹き返した。

何仙

瑞高公子はコックリさんが得意で、何仙という神様を呼び出していた。何仙は詩や文章が達者だった。朱文宗が試験を行ったときのこと、李卞というものが試験を受ける予定だったので批評を頼むと、一等であると評価する。だが採点は文宗が多忙のため門人にまかせきりであり、正当な評価を受けるのはむずかしいと予言した。

封三娘

范十一娘は鹿城の祭酒の娘である。若く美しく、求婚者も多かったが、気に入る男はいなかった。
盂蘭盆会の夜、十一娘は封三娘という娘と出会う。ふたりはすぐに打ち解けあい、三娘は十一娘の家に通うようになった。十一娘にいいなずけがいないことを知っていた三娘は、孟安仁という男を推薦し、いまは貧乏であるがかならず出世すると言う。三娘の仲人役を受けた孟は、范家に行って結婚を申し込むが、范公は孟が貧乏なのを見て、時を同じくして申し込んできた某家の子息と婚姻話をまとめてしまう。それに怒った十一娘は、首をくくって死んでしまった。
三娘は孟をうながして墓をあばき、寝台に寝かせて薬を飲ませると、二時間ほどで十一娘は蘇生する。そして離れた山村に移り、しばらくのあいだ三人で暮らしていた。

田七郎

遼陽の武承休は交友関係の広い男だったが、ある夜の夢に出てきた人が、ただ一人艱難を共にすべき友である田七郎を知らぬとは何事かと告げる。東村の狩人だと教えてくれた人がいたので訪ねてみると、ひどく貧しかったが、その話す言葉は質朴だった。武は喜び、金を与えて生計を立てさせようとするが、七郎の母は、公子には不吉な相がありそのうち大難にかかるだろう、恩を受ければ義をもってそれに答えなければならない、そのためにお前は死ぬかもしれない、と言って金を返させた。
なおも武は毛皮代金の名目で七郎を援助しようとする。七郎は代金に見合う毛皮を納品しようとあせったために猟の諍いを起し、武の手回しによって無事釈放されることになった。そののちから、七郎も彼の母も、武の誘いや援助を断らなくなった。
武の誕生日の夜、三人の下男とともにひとつ部屋で武と寝ていた七郎は、自分の佩刀が鞘から出て光っているのを見て、この刀は悪人を見ると騒ぐのであって、この中に悪人がいるのだと指摘する。果たして下男の一人である林兒というものが武の長男の嫁を犯そうとし、某御史の家に逃げ込むという事件を起こす。御史方がもみ消しを行ったため林兒は無罪放免になったが、しばらくして林兒の切り刻まれた死体が発見された。

韋公子

咸陽の韋公子は大変な色好みで、美人と見れば手をつけないことがなかった。ある日西安に行くと羅恵卿という女のような役者がいたので夜伽させると、羅の新婦が美しいということなので、3Pしようという話になる。だが、やってきた女に身の上を聞くと、それは公子が手をつけた女が産んだ娘であった。
その後蘇州に行くと、沈韋娘という芸者とねんごろになる。名前の由来を聞いてみると…

苗生

龔秀才が試験を受けに西安に向かっているとき、苗という偉丈夫と知り合った。大酒飲みで怪力の男である。その後、友人たちと四五人で華山に登ってたとき、いきなり苗があらわれ、酒盛りしつつの詩句の会になった。ところがだんだん詩が下卑てきて、かつお互いの褒めあいになったものだから、苗は怒って虎に変じ皆を打ち殺してしまった。生き残ったのは龔と靳だけだった。
三年後、靳はまた華陰を通っていると、かつて虎に噛まれて死んだ友人の嵆にあった。嵆は、いま虎の手先となって使われている、この苦しみから逃れるには文士を殺して身代わりにしなければならない、蒼龍嶺に文士を集めてくれ、と靳に頼む。

上仙

高李文と山東の宿に泊まっていると、李文が急病になった。粱氏の家にいる狐仙が医術が上手だというので行ってみると、四十くらいの狐っぽい女がおり、壁に小さな座があってそこに狐仙が降りてくるという。夜になると果たして仙人らしきものがあらわれ、さまざまな相談に答える。

嫦娥

宋子美と林ばあさんの家にいる娘嫦娥とのあいだに縁談話があったが、宋の父はまったく取り合わなかった。嫦娥はばあさんの家にふらりと現れた娘で、そのうち高く売ろうと留め置いていたものだからだ。嫦娥を気に入っていた宋は、父母が死ぬと結婚を申し込むが、代価として千金を求められたため、となりの顚當と付き合うことにした。
ある日ばあさんの家を通りかかると、嫦娥に招かれて金塊を渡され、顚當との話はまとまらないので、これで自分との約束を果たせと言われる。顚當に相談してみると、自分は二号でもいいのでそのとおりにしろというので、金を払って嫦娥を妻に迎えた。そして嫦娥に顚當も迎えたいと伝えると、嫦娥は顚當の下げている袋を盗めと言う。そのとおりにすると、顚當は怒って姿をくらませてしまった。
嫦娥が来てからというもの、宋の家はにわかに金持ちになった。しかしある夜押し込んできた盗賊団に嫦娥が拉致されてしまう。三四年のあいだ捜索の結果も出なかったため、口実を作って自ら都まで探しに行くことにした。
そこで顚當と再会した宋は、彼女の案内で嫦娥との再会も果たす。実は嫦娥はその名の通り姮娥(姮娥=嫦娥、中国の月の女神)で、罪が明けるまで下界にいたのだが、満期になったのでかどわかされた体で帰ったのである。そして顚當は西山に住む狐だった。
宋が首をくくろうとするほどだったので、嫦娥は顚當と一緒に宋の家に戻った。

鬼令

展先生は酒乱で、酔っ払っては馬で走ることがよくあったが、ある日木に頭を打って死んでしまった。
しばらくのち、ある旅商人が、古寺で酒を飲みながら言葉遊びをしている四五人の集団をみかける。その中には展先生の姿もあった。

伍秋月

王鼎は男らしくて交友が広く、妻に死なれてからは遠く旅に出て友を訪ねることがよくあった。鎭江に行ったときのこと、宿で寝ていると、女があらわれていっしょに寝る夢を何度も見る。そこで気をつけておいて目覚めてみると、女は秋月といい、十五のとき死んだのだが、父が三十年後に王鼎に嫁さんと彫りつけた石を立てて埋葬したのだという。
身の上を聞いた王は秋月に黄泉の国を案内してもらうが、そこで兄が役人に引き立てられているのを見る。乱暴に扱われているためカッとした王は役人を斬り殺し、兄を連れて家まで逃げると、ちょうど兄の葬式が行われているところで、王が帰るとともに兄は蘇生した。
秋月の助言どおり七日間じっと過ごしたあと宿に向かうと、秋月からの伝言があり、牢屋にとらわれているので助けてくれという。王はやはり役人を殺し、秋月を連れて逃げる。

董公子

董家はルールが厳しく、使用人の男女は私語をしてはいけないことになっていたが、あるときそれを破って叱られたものがいた。
その夜。公子のボーイは、叱られた下男が物を下げて門を出るところを見る。続けて、一人の偉丈夫が人の首を下げて入ってきて、しばらくもそもそしてから出て行くのを目撃した。あわてて公子を起こすと、公子には特に異常はなく、しかし寝台がなまぐさい血糊でべったりと汚れていた。

章阿端

戚という秀才が値段が安いというので幽霊屋敷を買ったが、下女と妻が相次いで死んでしまった。家人が騒ぐので妖しいことがないか確認しようと、普段使っていない二階家にひとりで寝ていると、若い女が入ってくる。女は章阿端といい、もう二十年も前に死んだ鬼(もうじゃ)だった。戚は死んだ妻を呼んでくれるよう、端に頼む。妻は生まれ変わることになっていたが、監守を買収して戚のもとに戻ってきた。
しばらくすると妻が病気になる。人間が死ぬと鬼となり、鬼が死ぬと聻(せき)となるのだ。端が鬼の医師を連れてきたため、その治療で妻は無事に治ったが、こんどは端が病気になる。端はそのまま死んでしまい、妻が鬼の葬儀をとりおこなう。そして妻はとうとう生まれ変わりが決まったことを知る。

太原獄

太原に嫁も姑も後家の家があり、姑の身持ちが悪かったのでいつも嫁が邪魔をしていた。うとましく思った姑は、間男を連れ込んでいると、嫁を誣告する。
孫柳下という進士が名裁きを見せる。

臙脂

卞という牛医に臙脂という娘がおり、許婚者がいなかったため、王氏という女が仲人役となった。王氏は既婚だったが以前から宿介という秀才と通じており、宿を通じて鄂秋集という秀才を臙脂に引き合わせる。鄂はさっそく臙脂を訪ねたが、一夜の恋を拒絶されたため、臙脂の靴を持ち帰った(中国では女の靴はセックスの象徴)。だが鄂は、その靴をなくしてしまう。
毛という男は王氏に岡惚れしていて、かねてから宿との仲を暴いてやろうと画策していたが、ある日王氏の家に行ってみると、女の靴を見つけた。それが臙脂のものだと知った毛は卞氏の家を訪ねるが、臙脂の父に見咎められたため、はずみで父親を殺してしまった。
濟南太守呉南岱が名裁きを見せる。

考弊司

聞人というものが、ぶらりと訪ねてきた秀才に頼みごとをされた。秀才は考弊司に属しているのだが、虚肚鬼王のお目見得のときに腿の肉を差し出さなければならない。彼は前世で鬼王の上司だったので取りなしてくれという。ついて行ってみるが、鬼王は彼を追い返し、秀才の腿肉を切り取った。怒った彼は、町の人に閻魔のいる場所を聞いて訴えを起こす。話を聞いた閻魔は、鬼王を罰した。
その帰り、彼は郭にいた美しい娘に心を奪われ、秀才には後から帰ると告げて郭に入る。しかしそれは、夜叉の罠だった。

神女

米という秀才が、宴が催されている家の前を通りがかり、名刺を出して出席した。主人とみえる老人、客、二人の若者などがおり、米は大酔して帰った。
その後、米は冤罪で逮捕され、大金と身分を失った。秀才の身分を取り返すために都会へ旅するが、途中で車に乗った娘の一行と出会う。娘はかんざしを渡して原資にするよう言うが、みごとなかんざしなので役人に賄賂として渡すのが惜しく、そのまま帰った。次の年、試験を受けに行った米はふたたび娘と出会う。娘は今度は現金を渡すが、それを使うまでもなく試験に合格し金を持ち帰ると、兄がそれを殖財し、米の家は大金を得た。また、祖父の門人だった者が巡撫となり何かと気にかけてくれたため、米の家は大家と呼ばれるようになった。
ある日、公子が訪ねてきて、父が大難に合っているので助けてくれという。また、車の娘も現れる。彼らは宴の家のもので、父の山神、娘は神女である。父親が上帝の怒りにふれ、それを収めるには巡撫の印が必要なのだ。
米は巡撫の妾にかんざしを贈り、印を得ることができた。礼に来た公子は、父が娘を贈りたいと言っているといい、そのとおりに娘は米に輿入れしてきた。
数年たっても子供が生まれなかったので、娘は博士という娘を妾として連れてくる。博士は、いつかのかんざしを髪にさしていた。運命がまわりまわって戻ってきたものである。

姚安

姚安というイケメンは、緑娥という才色兼備の娘が姚安なら結婚すると言っているのを聞いて、妻を殺して緑娥を後妻に迎えた。ひどい束縛をするようになり、外出中は緑娥を家に閉じ込めておくほどだった。
ある日帰ると、寝台で貂の皮を着た男が寝ているのを見つける。逆上して男を殺すが、よく見るとそれは、寒くて帽子をかぶっていた緑娥だった。逮捕された姚安は、釈放されるために全財産を使い果たし、精神に変調を来す。

続黄粱

曾という学人が試験に合格したときのこと。友人と一緒に遊びにいくと、古寺に占い師がいて、曾を二十年後の宰相であるという。ちょうど雨が降ってきたので僧舎で雨宿りをすることにし、曾を持ち上げる友人たちと大いに気勢を上げた。僧舎の脇には老僧がいて、そしらぬ顔をしていた。
雨音にうとうとしてきた曾は、夢を見る。位人臣を極め、没落し、生まれ変わって凌遅刑を受けるまでの長い長い夢である。


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また面倒なものに手をつけちゃった…旧字で十二巻もあるよ。どうすんのこれ…

漢文読み下しにルビをふって意訳するという、名訳とされている版。内容もおもしろく読みやすいのだが、なにせあらすじ書くのがめんどくさい。びっくりするほどめんどくさい。まず内容が濃い。古典って情景描写がないので10ページくらいの話でもものすごい展開になる。あと漢字が出ない。「○へんに○」とか検索して探す。ちょお時間かかる。

まあでも、これまでも八犬伝とか千一夜とかクリアしてきたしな。ぼちぼち読んでいこうか。下手するとライフワークになっちゃいそうだけど笑