uruya’s diary

夏山登山とツーリング。冬は鉄分多め。

奥尻一周ツーリング その1

要旨

ツーリングマップルをなにげなくパラパラと見ていたら、奥尻島を一周すると約65kmらしい。自転車で走るのにちょうどいい距離だ、行ってみよう。

計画

奥尻島へのフェリーは、瀬棚発着が1日1便、江差発着が1日2便ある。位置的に瀬棚一択。テン泊装備をかついで島内一泊し、翌早朝から一周。

行程

0600 自宅発

このためにオスプレーの48リッターザックを購入。バックパック、山行、両方に対応できるタイプだが、山中1泊には容量少なめかな。装備を工夫すれば可能か。やらないけど。今回わかったが、テン泊装備を担ぎ上げる体力は、自分にはまだない。
札幌では自分を含む一部市民に毛嫌いされている珍舞祭が開催中。人の流れは反対方向なので混雑はしないだろう。競合するライダー、チャリダーは逆に少ないかもしれない。

0851 道の駅 みなとま〜れ寿都



9時の開店を待ってソフトクリームを消化。以上。

1001 モッタ岬灯台


ちょっと時間が早いので、先にモッタ岬灯台を見学。日本一高い場所にある灯台。案内板に従って国道からわき道へ入り、車1台幅の道を約4キロ進んでいく。途中からダートに変わり、狩場山モッタ岬登山口を過ぎて突き当たりが灯台
先客にミニパトがいて、警官が灯台から沖合いを眺めている。国道でも緊急車両何台かとすれ違ったので、どうやら何かあったらしい。1対1なら「何かあったんですか?」と聞いてみたと思うが、軽トラのおっさん2人もその場にいたのでやめておいた。後で考えたら、おっさん2人組は地元青年部あたりだろう。

1015 モッタ海岸温泉





来た道をすこし戻り、モッタ海岸温泉で日帰り入浴。ナトリウム-塩化物泉、ラジウム含有、わずかに硫黄臭。無加水無加温、源泉掛け流し。白濁した湯の表面に、うどんゆで汁の泡みたいな湯の花が浮いている。
湯質も非常にいいのだが、最大の売りは露天からの景色。日本海を一望。ただ、国道も一望できる罠w
非常に開放的な露天である。へたに立ち上がると、国道や温泉入口の道路から丸見え。女湯露天の状況はわからないけど、少なくとも男湯露天は、気を抜くと決まり手もろ出しで土がつくこと請け合い。そちら方面の趣味がおありの方はぜひどうぞ。
海を見ながら露天でゆっくりしていると、警察のヘリが出動した模様。上空を何度も旋回して捜索活動を行っている。捜索艇も複数目の前に浮かんでいるし、温泉から少し離れた位置にある港に、パトカーなどの緊急車両や、関係者と思われる人たちの車が終結している。事件があったのはこの集落か…
どうにも気になったので帰宅後ニュースを調べてみると、漁に出た漁船の船長が行方不明になり、空船だけが発見されたとのこと。風に呷られて転落でもしたのだろうか。

1140 浜の母さん食事処


せたな市街からちょっと岩内寄りにある、海産物直売所で昼食。活け魚介類を販売しているスペースの端にテーブルが3つ置いてあり、海鮮丼や各種定食などを提供している。店内が満杯の場合は横にあるプレハブ小屋にもテーブル席あり。家族連れなら小屋のほうが楽しそうだ。

オーダーして先払い、セルフ配膳方式。焼きホッケ定食を注文。他客が「ホッケがデカい」と言っているのが耳に入ったが、確かに大ぶり。ただし小さいホッケしか出回っていない本州と違い、北海道民はこのサイズを見慣れているので、それほど感動はない。脂がのってうまかったが、ホッケの開きはどこまで行ってもホッケの開きである。値頃感としては800円くらいか。880円までなら許す(何様?)。1200円はない。断言するけど、ない。
新鮮で質のよい材料を使えば値段が高くなるのは当たり前だが、ちょっと高すぎ。それ以上に問題なのは値段に見合うかどうかだけど、焼ホッケ定食に関してはまったく見合っていない。せたなはホッケの開きが名産なのは確かなので、あくまで縁起物として捉えたほうがいいのかもしれない。でもなあ、やっぱり1200円はない。
どうせなら2000円出して海鮮丼にしたほうがよかったかもしれない。それで満足しなかったら、たぶんバッサリ斬って捨てた。中途半端なものを頼んだから、どうも歯切れが悪くなった。

1230 洋上風車@立象山展望台

1230 三本杉岩(のうち二本)@立象山展望台


崖が海に落ち込んでいる、というより、隆起した崖が海から突出した地形が多い日本海岸。せたな町は、崖のそばを流れる川の堆積物がたまってできた平地部に存在している。崖にあたる立象山には展望台があり、せたな市街を一望できる。
せたな町のシンボル三本杉岩や、瀬棚港に浮かぶ洋上風車が見える。再生可能エネルギーの拡充が叫ばれる昨今、この洋上風車はよいアイデアではないか。沖合いに設置すれば低周波問題やバードストライクの対策にもなるだろう。と、素人考え。
この時点でものすごい強風が吹いており、風車もぐるんぐるん回って絶賛発電中。風速10メートルは軽く越えているだろう。海面にも白い波頭が立っていて、フェリーの運行状況が心配された。欠航したら北檜山から今金に抜けて道南満喫ドライブに趣旨変更だ。あと、揺れ具合も気になるところ。船酔いするとキツいからなあ。体験した中では、あらゆる乗り物酔いで一番キツい。一説にはヘリ酔いも凄いらしいが。ケビン・コスナーじゃんエアーウルフだねなんてはしゃいでた人間がリバースするほどだし。
念のため薬局で酔い止めを購入。費用は交通費で計上。

1300 瀬棚フェリーターミナル(写真撮り忘れ)

航行状況に不安を感じながらターミナルに行ってみると、普通に運行している。風よりも波の高さが問題となるみたいだ。強風はふいているが、波高1.5メートル。客層はツアーバスの団体観光客、車移動の家族連れなど雑多。数はツアー客が圧倒。自衛隊員が奥尻から到着する部隊を出迎えていたのが印象的。奥尻には航空自衛隊駐屯地が存在する。訓練のための車両移動は、民間フェリーを使って行うらしい。海自の輸送艦使えばよくね?と思ったが、港が民間だからまずいのか。揚陸艦使うわけにもいくまいしw
2等雑魚寝席と自転車のチケットを購入。2等1名1860円、特殊手荷物1台1330円。隣接する町営有料駐車場に車を入れ、自転車を組み立て。車両積載待機所にて、車といっしょに待つ。車より先に入庫、係員に渡して固定してもらい、そのまま客室へ移動。扱いとしてはたぶん自動二輪と同じ。
あとまったく関係ないが、せたなには「STN48」という広報グループが存在するらしい。フェリー内でポスターを見かけて噴いた。ずいぶんトウがたった方もおられるような…w

1407 さようなら北海道本島



24時間のお別れである。片道1時間半と、けっこうな時間がかかるので遠いのかと思っていたが、島影はすぐそこに見えている。そのはずで、フェリーの速度は約28km/h、15ノット。人間しか乗せない高速船と違って、大型車両も積載しているのでそんなに速度が出ないのだろう。
航跡をとりたいのだが客室にいると電波の入りが悪い。後甲板にいると強風で寒い。GPSを後甲板席に隠し、客室で休む。まんまと航跡取得に成功。

1529 こんにちは奥尻島


こんにちは!こんにちは!

1530 奥尻フェリーターミナル


強風が吹いていたせたなと異なり、風はまったくない。海ひとつ隔てるだけでこんなに違うのかと思ったが、夕凪だっただけかもしれない。日が暮れると風が吹きだして、フライが飛ばされるかと心配するほどの強さになった。朝にはピタッと風が止まっていて、西海岸に抜けるころ、また強い向かい風が吹き出した。これは朝凪。
島に入ってまずびっくりしたのは、ウニの殻がそのへんにごろごろ落ちていること。さすが奥尻、半端ないな…道端にウニか…人生であまり見ることのない光景だ。たぶん水揚げしたときポロッと落ちちゃったもので、中身はカラスなんかがいただくんだろう。まああまり感心してる場合じゃない。踏んだらパンクする。

1602 宮津弁天宮



第1観光スポット、宮島弁天堂。
祠へは急な石階段をいったん海抜0地点まで下り、再度同じだけ登り返す。何を思ったか、ザックを背負ったまま行ってしまったので、死ぬ思いをした。自転車といっしょにデポしとけばいいのに。アホだ。
かなり急な階段とはいえ、たかだか数10メートルの登り下りで、この息の切れよう。これじゃあテン泊装備を背負って山を登るなんて無理。量ってないけど、たぶんザックの重量は10kg以上あり、全体重80kgほどの計算。これを支えるだけの筋肉量はないから、慣れる前に膝をこわしてしまう。軽量化の余地はかなりあるけど、金をかけるよりエンジン鍛えるほうが先。
というか、体重が80kg以上ある人は毎日こんな重いもの背負って生活してるってことだよな。中には猫の中村みたいに動きの俊敏なDBもいる。すげぇ、あらためておかわりすげぇ(妙なところを感心する例)。

1629 ここをキャンプ地とする




島の北端にある稲穂岬、賽の河原キャンプ場。賽の河原を見学してみると、うわぁ…確かに賽の河原だ…賽の河原以外の何者でもない。無数に石が積みあがっている。誰だ積み上げたの。怖いっつーの。キャンプ場無人だったんですけど。1人でここに泊まるってのか。とんだ肝試しだ。まあ当方、筋金入りの無神論者・無宗教者・神秘否定主義者なので気にしないっちゃ気にしないけど、怪談は人並みに怖い。嫌なキャンプ場だなあw

このあと、島一周道路の道道39号の様子を見に、5キロほど先行偵察に出発。途中からダートになる情報だったが、かなり奥まで進んでも舗装路だったので、そのまま39号を突破することに決定。
帰ると、稲穂岬の売店件食堂が閉店している。しまった。ここで夕食のつもりだったのだが。1食とりそこねた。しかたないので、行動食と非常食を分割して朝夕の食事にあてることに。さすがに侘びしい。あと期せずして休肝日になった。たしか数年ぶり。


つづく。